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Amazonや楽天、メルカリ、PayPayフリマなど、インターネット上で簡単に情報や物品を販売することができるサービスがたくさん出てきて、副業や個人事業主そして小規模の事業が起こしやすくなりました。
しかし、起業するとなった時に必ず考えなければいけないのは、経費精算・ファイナンスなどの経理や税務のことです。
税理士さんと毎月の顧問契約すると、小規模事業であっても顧問料で数万円/月のコストが必要となります。
それに対して、経費の精算や経理は基本的に自分で行って、決算だけ税理士さんに頼んでチェックしてもらう方法だと、年1回だけ5~10万円ほどのコストで抑えることができます。
決算だけ税理士さんに頼む場合のデメリット(融資の時の書類作成など、色々と面倒をみてもらえる)もありますが、無料(フリー)で利用できるクラウド会計ソフトを上手に使うことで、起業時のランニングコストを大幅に抑えることが可能となります。
本記事では、無料(フリー)で利用できるクラウド会計ソフトを自社で利用しようとした際に調べた比較検討の内容について公開しています。
内容は中小企業のなかでも小規模法人・個人事業主向けの視点から書いています。
おすすめの会計ソフトは、やはり経営されている事業の状況によって異なりますので、それぞれの公式サイトを見てから決めてもらうのが良いかと思います。
Contents
メジャーな会計ソフトである弥生会計(パッケージ版)の費用・コスト
もっともメジャーだと思う経理ソフト、パソコンにダウンロード(ひと昔前はCD-ROMでしたが)して利用する弥生会計(パッケージ版)を基準に、無料(フリー)クラウド会計ソフトの費用・コストとの比較を考えていきます。
個人事業主向けの場合、やよいの青色申告はAmazonで11,800円程。毎月のコストに換算するとおよそ983円/月くらいです。
パッケージ版よりもダウンロード版の方がやや値段が高いです。
法人向けの場合、弥生会計スタンダードはAmazonで42,800円程。毎月のコストに換算すると3,570円/月くらいです。
ひと昔前は、ネットに接続していないパソコンに弥生会計(パッケージ版)をインストールして使って経理をおこなっている事業主さんが多かった印象があります。
ただ、最近はオンラインで完結するビジネスが多くなってきて、銀行振込/クレジットカード/QRコードなどの電子決済がメインの事業主さんでは、クラウド会計ソフトを使っている事業主さんが増えてきている印象です。
法律の改正などもあって、経費の精算もスマホでパシャっと写真を撮るだけで処理できるケースも増えてきました。
弥生会計(パッケージ版)はある程度実績があって、安心して使いやすいので、無料(フリー)クラウド会計ソフトのほうが圧倒的にコストパフォーマンスが良いとか、便利な機能があるとかでなければ魅力がないという判断になります。
つぎに、無料(フリー)クラウド会計ソフトの比較検討をしていきます。
無料(フリー)クラウド会計ソフトの比較検討
個人的な感想としては、私の会社はインターネット業でほぼネット銀行の電子決済のやり取りだけで済ませているので、弥生会計オンライン、マネーフォワード、freee(フリー)を試してみて、使いやすい製品にしようと考えてます。
弥生会計オンライン、マネーフォワード、freee(フリー)の連携サービスを見ていると、弥生会計オンラインは使いやすさやサポート体制、マネーフォワードは個人や零細企業寄り、freee(フリー)はマネーフォワードよりも大きめの企業に注力してる印象を受けます。
金融機関のデータを自動取得して仕訳する機能ですが、将来的に運営会社のデータが蓄積されれば、クラウド会計ソフトが「節税アドバイス」とかしてくれる日も近いかもしれませんね。
やよいの青色申告 オンライン/弥生会計 オンライン
[個人事業・中小企業向け]
弥生会計は言うまでもなく、会計ソフトの中ではトップシェアですから、思いつく限りでも以下のようなメリットがあります。
- 弥生会計(パッケージ版)と連携しやすい
- 弥生会計(パッケージ版)に慣れている税理士さんが多い
- 安心感がある(ノウハウもあるでしょう)
- サポート体制がしっかりしている(パッケージ版からクラウド化してますので)
マネーフォワード、freee(フリー)と比較してみても、やはり安心感と使いやすさ・サポート体制の万全さは圧倒的です。さすがトップシェアといった印象です。
あまりIT強くない企業や、日常業務が忙しくて会計ソフトの使い方で手間は取られたくないといった企業には最適なのかなと思います。
個人事業主向け(やよいの青色申告 オンライン)
法人向けと違い個人事業主さん向けはかなり条件が良く、「全ての機能が1年間無料でお試し!」(確定申告書も無料で作成できる)らしいです。
次年度からは有料で年間8,000円(税抜)なので、月額換算で700円程(税抜)となり、マネーフォワードやfreee(フリー)などのクラウド会計ソフトより費用の面ではコスパに優れています。
また、e-Taxに取り込める申告データを作成できるようで、これはなかなか便利なんじゃないでしょうか。
法人向け(弥生会計 オンライン)
最大2か月無料で体験でき、その間(最大2か月無料体験の間)は電話やメールで操作質問から仕訳相談まで利用できるという、サポート体制は万全なので、とりあえず試してみるというのもアリだと思います(ただし、無料体験版では決算書作成機能は利用できないようです)。
有料のプランは年額26,000円(税抜)から利用でき、およそ月額換算で約2,200円(税抜)程になりますが、弥生会計のブランドとシェア等などの安心感を重視する場合には、程よい値段と良い選択肢なのかなと思います。
freee(フリー)
[個人事業・中小企業向け]
銀行・クレジットカード情報を登録して連携することで全自動で仕訳ができるのが特徴でおすすめです。公式サイトによると、ほぼすべての金融機関の明細に対応しているとの事ですが、利用する前に自社がよく使う金融機関が対応しているのかは要チェックです。
freee(フリー)はどちらかというと、マネーフォワードよりかは中小企業をターゲットにしている感じが強い印象を受けます。
ちなみに、freee(フリー)は元Googleの方が創業しています。Googleといってもエンジニアではなくマーケター出身の方のようですので、将来的には他社と提携するとか積極的に進めていくのではないだろうかと予測しています(実際、マネーフォワードよりも連携できるサービスは多い印象です)。
2019年12月にマザーズ市場へ新規上場しています。
個人事業主向け
最大30日間の無料お試し期間があります。有料の場合は980円/月から(年払いで割引の場合)はじめられるプランがあります。
会計ソフトは使ってみて分かることが多いので、無料期間の間に、先に紹介した弥生会計と比較するのが良いかと思います。最安の有料プランでも「白色・青色確定申告書類「電子申告」の作成には対応しているようです。
法人向け
最大30日間の無料お試し期間があり、有料の場合は1980円/月から(年払いで割引の場合)はじめられるプランがあります。最安の有料プランでも決算書の作成・出力にも対応し、基本的な請求書/見積書/納品書作成の作成なども可能みたいです。
MFクラウド確定申告/MFクラウド会計(マネーフォワード)
2014年7月より、個人事業主向けは「MFクラウド確定申告」、中小企業向けは「MFクラウド会計」というサービスに変更されています。2017年9月にマザーズ市場へ新規上場しています。
銀行・クレジットカード情報を登録し金融機関と連携させて、取引のデータを自動取得し仕訳してくれるというのが特徴です。また、Amazonなどの通販データ、POSレジアプリのデータ、楽天スマートペイ・Square (スクエア)などの決済サービスなどにも連携しています。
インターネット系でのビジネスならば、ほとんどの取引はネットバンクやネット決済で取引しているかと思いますので、自動取得し仕訳してくれるのは助かります。
個人事業主向け・法人向けの場合も、「自動取得・仕訳機能」をどのくらい良いかと思うかではないでしょうか。
ちなみに、マネーフォワードはマネックス系(証券会社)の会社が出資していますので、金融系には強みがあると思います。
個人事業主向け(MFクラウド確定申告)
無料で使えるフリープランというのは、まだ存在するようですが制約がなかなかキツいです。制約というのは、例えば「仕訳登録は年間50件未満」「仕訳データのエクスポートはできない」などです。
その他、1ヶ月間は無料でトライアルできるというお試しプランはあるようです。なので、一定以上の規模感で利用する場合には、有料になると考えたほうがいいかもしれません。
法人向け(MFクラウド会計)
法人向けでも無料で使えるプランというのはまだ存在するようです。ただし制約があり「仕訳登録は年間50件未満」「仕訳データのエクスポートはできない」などです。この条件は、法人ではなかなか厳しいのではないかと思います。
あんしん会計
現在、サービスは提供されていないようです。
「金融機関と連携したデータ自動取得・仕訳機能」はありません。
基本は法人向けに作られていているようですが、個人事業主にも使えるようにしてくれているようです。
個人事業主向け・法人向けともに無料で、おそらく税理士さんを紹介するための無料サービスだと思われます。クールな戦略です。
あんしん会計の使い方に関するサービスがあり、料金は1年契約で2,000円/月。
金融機関と連携した自動仕訳機能とかいらないよ、という方の場合にはコストパフォーマンスは抜群です。
Free Way(フリーウェイ)
Free Way(フリーウェイ)
上記で説明してきたクラウド会計ソフトのように「金融機関と連携したデータ自動取得・仕訳機能」はありません
また無料プランではクラウドではなく、パソコンにインストールする形となります。
個人と法人向けの無料プランがあり、利用期間の制限などはないようです。企業版のみ有料オプションがあり3000円/月なので、無料プランで操作とかが気に入れば使ってみるのもいいのかもしれません。