中小企業のCSRとボランティアについて

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主に中小企業経営者という立場の個人的体験から、企業としての「CSR(コーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティ/Corporate Social Responsibility)」と個人としての「ボランティア」の2つをどう折り合いをつけるかについて、Google先生に聞いてみてもあまり出てこない内容なので、少し書いておきたいと思います。

ちなみに私自身は数年程、いくつかの組織で有料/無償ボランティア活動を行ったくらいですが、世の中には何年も有料/無償問わずボランティア活動を継続して続けている方がいらっしゃいますので、あくまで「個人的な体験からの感想」という事を強調しておきたいです。

年齢を経た時に「あの頃は若かったな…」的な内容も多いと思いますし、個々人が持っている価値観によっても大きく変わると思いますので、こんな考えもあるんだな…という程度で捉えていただければ幸いです。

中小企業のCSRについて

例のごとく、CSRの分野についても経営学書は大企業向けのものが多いので、中小企業は自社向けに学者さんの調査や理論を再構築する必要があります。
自社向けに再構築する過程で、独自に考えたものが自社の強みとなると前向きに捉えてはいますが、一般化できない部分も多いので、参考となる文献が少ないのかもしれないです。

主に以下の書籍を参考にしています。

・ドラッカー名著集 4 非営利組織の経営
・社会的責任のマーケティング─事業の成功とCSRを両立する
・コトラー8つの成長戦略 低成長時代に勝ち残る戦略的マーケティング

個人的なボランティア体験について

また、私個人としては、ボランティアしているなんて今でもちょっと違和感があるくらい、そんなに献身的な人間ではありません。企業のCSRについては、経営学全般の勉強をしている際にも「自分には関係ないな…」と思い、内容を飛ばしていたくらいです。

また、正直今でも個人的なボランティアよりかは、中小企業のCSR活動として捉えるほうが(また、活動する方が)何故かどうもしっくりときます。ただ、おそらくこの点は、以下のような感覚があるのが原因かなと思っています。

1.(特に創業者は)個人と会社の活動の区別がついていない。
2.会社を通して全力で社会貢献しているつもりなので、個人的なボランティア活動と区別がつかない

ただ、知識としては「自己中心的な幸福感を突き詰めると、他者への献身という答えに行き着く」という考えは信じています。

企業経営者とボランティア活動について

企業経営者については、同じ組織で活動すると、企業としては「CSR」、個人としては「ボランティア」としての選択肢があり、またその両方で求められることが多いのかなと思います。で、やってみた感じ両方やると色々な視点(特に売上げに与える影響と、個人の時間という点で…)で非常にキツイです。

そこで、経営資源の選択と集中が必要になってきます。

そして考えたことは、私個人の価値観としては「社会に与えられる貢献の効率」の大きさが重要だと思いました。個人ではなく企業として活動したほうがパフォーマンスが高いのは当然なので、そうした方が良いと考えました。なのでそれ以来、個人のボランティアは、企業のボランティア活動を微力ながら補助するような感覚で取り組んでいます(企業が動くまでもないけれども、多少専門分野の知識が必要な短時間の活動)。

企業CSRとのメリットについて

メリット/デメリットで語るものでもないですが、企業のCSRについては先ほど紹介した本(社会的責任のマーケティング─事業の成功とCSRを両立する)で、企業は事業の成功とCSRを両立することが可能であるとしています。
マジかよ…と思いながら注意深く読みましたが、そこそこの規模の企業でないと難しい方法がけっこう書かれていますので、自社なりの方法を見つける必要があるのかなと思います。

ちなみに、うちの会社的には両立できているかというと、悲しいかな両立はできておりません(うちはマーケティング会社だったような気がしますが…)。

事業の成功とCSRを両立するという視点で考えた場合、資源が限られている中小企業として利益になるのかどうかは、広告効果(特にブランド認知)という曖昧なものに頼らざるを得ないと思います。また、分野が分野だけに、確実に見込み客を獲得し、売り上げに繋げるとか、そういう目的でボランティア組織に組み入ると逆に信用を失うのではないかと思いますので難しいところです。

個人ボランティア活動のメリットについて

Google先生に聞いてみた感じ、ボランティアのメリットなどは、基本的に短期的視点からの見地が多いように感じました。
個人のボランティアに活動メリットというものはなく、基本的に「奉仕する心持ちとその結果生まれる習慣」が一番の財産になるように感じています。

よく言われるボランティアのメリットと、それへのツッコミ

・活動実績としてアピールできる
自分の今の仕事を頑張って結果を出す方が、実績としてアピールできると思います。

・経験を積める
余程特殊な分野のボランティアでない限り、副業した方が経験が積めると思います。

・人脈ができる
「人脈」って言うと、自身が仕事を貰うというニュアンスが強い傾向がありますが、ボランティア組織においては「仕事を任せられる相手を見つける場」として捉えることもできるのではないかと思います(また、そのような組織においては非常に貢献的な人が多い)。

・人の役に立つ
多少の貢献は人の役に立つという事で気分が良いのですが、仕事が忙しい時とかに貢献を求められると、精神的にキツイ時が多々あります。

・仲間ができる
ボランティア活動であれば、苦楽をを共にする仲間ができるのかもしれませんが、趣味などの集まりでも仲間はできるのかと思います。

・外の世界を知ることができる
この点が結構大きいのかもしれません。全く違う業種・年齢の人や、パラダイムが違う人と接することになりますので、ビックリすることが多いです。

ボランティアと年齢について

一般的に言われているのはボランティアに対しては、年齢別に求めているものが違うらしく、30代以下くらいは「自分の人格形成や成長」、40~50代くらいは「自分自身の関心や趣味の活動」、60代以上は「社会やお世話になったことに対する恩返し」がもっとも多いとのことです(複数の動機のうちもっとも多いだけなので、色々な動機が混ざっています)。

年齢別に動機が異なることを念頭に置いておくと、ボランティアの方を募集したり、やる気をアップしてもらったり、またお付き合いがスムーズになったりするのかなと思います。

参考:全国ボランティア活動実態調査 報告書 – 全国社会福祉協議会

ボランティア活動と金銭について

行動の基準を何にするかによって問題が大きく変わります。
行動の基準を「金銭的な基準」とすると活動に対する成果の物差しは金銭的な報酬となりますが、何をどう頑張っても、ボランティア(プロボノでも)明らかに割の悪い仕事となります。

なので、成果は金銭的な基準ではなく、別の基準をもってボランティア活動に取り組む必要があるように思います。
行動の基準を「金銭的な基準」とするのならば、副業するのが納得感が出るのではないでしょうか。

ボランティア活動している人は余裕(時間的・金銭的)があるからやっているのか

統計的には主婦・主夫、定年退職後の方、自営業の方が多いみたいですし、ボランティア活動している人が余裕(時間的・金銭的)がある人が多いというのは、そうだと思います。
また、比較的若い世代は共働きが多く、また日本は景気的にも良い国ではなので、主婦・主夫、定年退職後の方、自営業の方をあてにした運営方法に無理がきているように感じます。

ただ、若い世代の中では非常に非営利思考の強い優秀な子らも多くいますので、余裕(時間的・金銭的)があるないという問題よりかは、既存のボランティア組織の古い体質に対して、若い世代の子らが新しい非営利組織をベンチャー的に運営しているのではないかと感じます。

ボランティア活動の組織はどんな感じなのか

個人的な感想になりますし関わった組織によると思いますが、大企業のように統制の取れた報告システムなんてものは存在しないので、現場の方からガンガン声を上げていかないと、何もなく日々が過ぎ去っていくのみという場合が多いのかなと思います。

受動的な立場だと、正直自分の価値観では理解が難しい指示が降りてくることが多い(全く違う業種・年齢・パラダイムが違う人達の決定なので)ので、「やらされ仕事」をやっているという、非常に辛い感覚に陥ります。
自分から進んで何かやっていくという心構えで行かないと、なんというか組織に使われているだけというような気持ちになったりしてしまうと思います。

ボランティア活動の人の集め方について

(正直私が教えて欲しいくらいで、実践は伴っていませんので推論となります)
ボランティア参加に対しての動機が年齢的に異なるという点(30代以下くらいは自分の人格形成や成長、40~50代くらいは自分自身の関心や趣味の活動、60代以上は社会やお世話になったことに対する恩返しがもっとも多い)については既に書きましたが、求めているものが年齢的に異なるという事は、マーケティング的にいうとコトラー先生の仰るSTP(Segmentation,Targeting,Positioning)の施策を行う余地があるということになります。

年齢の他にも性別や趣味など、思考の余地は大いにあると思いますので、取っ掛かりとしては十分かなと思います。
(ただ、クリステンセン先生によると、イノベーションを起こすのなら、年齢などの属性ベースの判別でなく、ジョブ理論で判別した方が良いよとのことですが)

寄付活動について

非営利企業の経営について少し調べた所によると、一度寄付した人にはさらなる寄付をお願いしたり、一度ボランティア活動してくれた人にはさらなるお願いしたりする事が王道のようです(ドラッカー先生の非営利企業の経営によると…)。

が、たぶん日本において同じような方法では、やり方を間違うと嫌がられるだけなので、組織としてどのような誠実な対応を採るのかという事については良く考えて明文化するくらいのことをしておかないと、組織の一貫性(要するに組織の信用に関わります)に問題が出たりするのではないかと思います。

ボランティア活動と同調圧力について

(ボランティアやったことない方向け)
わざわざ書く必要ないかもしれませんが、たまに同調圧力が強めの組織があります。そういう組織に対して、心地よさではなく、不快感を覚えるのであれば、迷わず距離を置くべきかと思います。
ボランティア組織はそういった同調圧力強めの組織だけではないですし、自分に合う合わないというのも人それぞれです。

また、やりたくない事については「No」と言うことも選択肢の一つです。
無理して活動したりしてしまうと、ボランティア活動自体嫌いになってしまい、社会にとって非常に損失となり、非常にもったいないと思います。

で、結局ボランティア活動する意味とか意義って何?

ボランティア活動していると誰しも気になる問いかけですが、自分で答えを出さなければならない問題だと思います。

今のところ個人的には「教養があると自覚したいのならば、社会の役に立てましょう」というような感覚がモチベーションとなっています。

自分を中心に考えて組織から何か引き出せるかと考えると、ボランティア活動のメリット/デメリット論になってしまいますが、一方自分が社会に貢献をすることを中心として考えると「自分が社会の役に立つために、組織の皆さんに協力してもらっている」という認識になり、当然のことながら、一人よりも組織の皆さんの力を借りた方が社会に貢献する影響力が大きくなります。

世の中には大いなる問題(政治や年金問題など)がたくさんあり、評論や議論したい気持ちは分かりますが、そういった類の分野はそんな数年とかですぐ解決する問題でないので、今現状、当分の間の問題を解決するためにボランティア活動は必要なのだと個人的には考えています。

例えば、利益が見込める分野であれば企業が動きますし、公共性が高ければ地方公共団体が動きますが、その他どこにも当てはまらない暫定的な問題の解決をするのが非営利団体の出番で、そこに加わりたいかどうか?という所に意味とか意義を感じるかどうかなのかなと、今のところ考えています。

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