飲食店のWEBマーケティング戦略事例

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本記事は、実際の飲食店のWEBマーケティング戦略の事例をかなり一般化して(詳細は書けませんので...)書いているものです。
WEB系の業者とやり取りするにしても戦略自体は飲食店側で決める必要がありますので、飲食店で実際にWEBマーケティングを始めたり、改善したりしようかと考えている際に参考になれば幸いです。

Amelt.net,LLC.は中小企業でのマーケティングの問題をITで解決することに特化した会社です。
その他、ITを活用した最新の改善事例については、最近の改善事例 のページをご覧ください。

飲食店にWEBマーケティング戦略は必要ないのか?

飲食店を始められる方のほとんどは職人さん出身です。
職人気質の方がよく落とし穴にはまるパターンが多いのですが、どれだけ質が良い料理を作っていても、どれだけ良いサービスを提供していても、お客さんが来店する仕組みがなければ売り上げはあがりません。

もちろん、料理やサービスの質は、一度ご来店いただいたお客さんにリピーターになってもらうためには必要不可欠な要素ですが、それだけでは不十分です。

また、FacebookやInstagram,TwitterなどのSNS(ソーシャルネットワーキング)の時代だから、マーケティングとか小難しいことは必要なくてお客さんにソーシャルで拡散してもらうだけで十分...とよく言われる事もありますが、他の飲食店も同じ事を普通にやってますのでそれだけでは他店と差別化ができませんので不十分です。

そして、マーケティング戦略なしで現在は口コミなどで売り上げがあがっている状況があったとしても、「何の施策をしてどう売り上げに繋がるのか?」のデータなどがない状況では、売り上げが落ちたときに対応する方法は神頼みとなってしまいます。

飲食店のWEBマーケティング戦略って実際何をしているのか?

飲食店においてのWEBマーケティング戦略は、なんにせよ「WEBマーケティングををキッカケとして来店してもらう事」「来店後にお店の商品・サービスを思い出してもらう事」の2点に尽きます。

「WEBマーケティングををキッカケとして来店」してもらい、来店していただいたお客さんに満足していただき、「来店後にお店の商品・サービスを思い出す」事をしてもらい、リピーターを増やすこと…どこにでも書いてあるような基本的な内容です。
ですが、その基本をしっかりと守らずに小手先だけのテクニックで何とかしようと考えて、上手くいっていないケースがよく見られます。

飲食店のWEBマーケティングの事例

飲食店におけるWEBマーケティング進め方を、(詳細は書けませんので)ざっくりと事例に沿って書いていきます。
WEBマーケティング進めていく中で、ほとんどは飲食店ごとに違った戦略となりますので、その都度手持ちのデータを元にして、しっかりと考えていく必要があります。

飲食店のWEBマーケティング戦略

飲食店の成功要因において「立地」が最重要だと言われてきましたが(いや、今も重要ですが...)、店舗ホームページやSNS、食べログ・ぐるなび・ホットペッパーなどのグルメ系サイトの登場により、立地が多少悪くとも上手くいくケースが増えて来ています。

ひと昔前だと立地が悪いということは、人に認知されにくいということ...つまり、飲食店が存在していないのと同じ状態でしたが、最近は長年住んでいる地元の人でもない限りは、土地勘のない場所で飲食店を探すときはホームページ(最近はスマホサイトが主流)や、食べログ・ぐるなび・ホットペッパーなどのグルメ系サイトで、メニューや料金、口コミ等を調べた上で、どのお店にしようかと決めるようになりました。

飲食店のホームページの必要性についてですが、当然ながらホームページ業者に払っている料金が投資費用対効果を見込めるのなら(要するに、製作費と毎月のランニングコストよりも、集客したお客さんからの利益の方が多いのであれば)やった方が良いです。

お客さんの飲食店でもホームページを持って運用しているところも多いですが、ホームページは一度良い流れを作ると利益に貢献する度合が高いですので、最初は初期投資とランニングコストを抑えて、小さくテスト的に始めるのがおすすめです。検索エンジン(Google)からの集客がまだまだ多いからというのが、ホームページを運用した方が良い理由です。

お客さんには一貫性したメッセージを届ける

飲食店のオーナーさんや店長さんはお店のことで頭がいっぱいかもしれませんが、お客さんの頭の中は仕事やプライベートの情報でいっぱいです。インターネットで検索するお客さんも、飲食店の前を通るお客さんも同じです。

ですので、WEBサイトや飲食店の看板はシンプルでインパクトがあって、分かりやすく、メッセージが一貫しているということが非常に重要となります。

メッセージが一貫しているとは、例えば、WEBサイトと飲食店の看板、メニューなどのメッセージが統一されているということです。片方で「安い!」とPRしておいて、他方では「高級!」とPRしているとお客さんは混乱するという意味です。

メッセージの一貫性を保つためにはお店の「核」を明確にすることが重要

メッセージの一貫性を保つためにはお店の「核」を明確にする事が重要で、「核」というのはマーケティングで俗にUSP(ユニーク・セリング・プロポジション)と呼ばれます。

USP(ユニーク・セリング・プロポジション)については過去の記事 中小企業に特化したマーケティングでのUSPの重要性と見つけ方 で詳しく説明していますので参考にしてみてください。

USPを明確にすると、以下のような利益を増やすための道筋(マーケティング戦略)が見えてきます。

1.お店の強みと弱みが明確になり、お店の強みに従って単純明快なアピールポイントが見つかる。

2.そのアピールポイントを「一貫性を持って」アピールし続けると、お客さんの印象に残りやすくなる

3.お客さんの印象に残ったお店は口コミなどで、来店数やリピート率があがる

道筋(マーケティング戦略)が見えたのなら、次は計画・実行するための方法(マーケティング戦術)を考えるという流れになります。

飲食店のWEBマーケティング戦術

マーケティング戦術は、目的(売上げアップや来店数向上)を達成するためにどのような方法をとるか?という事について考えていく段階です。

WEBマーケティング戦術はオンライン・オフラインに関係なく、例えば一例としては以下のような方法を組み合わせて、投資費用対効果が高くなるように試行錯誤していきます。
また、ここ近年は、うちのお客さんのアクセス解析結果でもスマホサイトへ流入が大部分を占めるようになっていますので、さまざまな経路からのプロモーションを考える必要があります。

  • ニュースリリース:各種ニュースサイトなどに掲載してもらうための新商品情報・改装・キャンペーンなどを発信
  • 各グルメ系サイト:食べログ・ぐるなび・ホットペッパーなどのサイトにて情報を発信
  • ソーシャルメディア:FacebookやTwitter、Instagramなどを利用し広告やお客さんとコミュニケーションを図る
  • SEO(検索エンジン最適化):WEBサイトを作成し、Googleなどの検索エンジンから集客
  • 動画サイト:料理の動画などをお客さんに見てもらうことでコミュニケーションを図る
  • オンライン広告(ネット広告):ジャンルによって効果的な媒体は様々なので、費用対効果の高い媒体に広告

大手チェーンと違い、資金・人材などの経営資源が限られている中小規模の飲食店の場合、低コストでできるマーケティング戦術をいくつか組み合わせたり、大手チェーンが手を出せない分野(ニッチ市場・親密なコミュニケーションなど)で勝負する必要があります。

大手チェーンと正面からまともに戦う方法を取ると、消耗戦になり負けることになりますので注意する必要があります。
あらゆるマーケティング戦術を試して組み合わせることにより、お客さんが多くのルートから来店するキッカケづくりをしていきます。

うちの会社で、ほぼ同じカテゴリの飲食店(しかも徒歩3分の場所にある)を複数担当していたりしていますが、個々のお店によってお客さんが来店するキッカケや目的は大きく異なります。
色々と方法を試していくと、それぞれの飲食店特有の強いルートが見つかりますので、本腰を入れてマーケティングを計画・実行していく段階へと移ります。

飲食店のWEBマーケティング計画

目的(売上げアップや来店数向上)を達成するために、WEBマーケティング戦術によってそれぞれの飲食店特有の強いルートが見つかった次の段階では、そのWEBマーケティング戦術を継続的に実行していくためのWEBマーケティング計画を作っていきます。

WEBマーケティング計画では、マーケティングを効果的に実行するための年間を通してのスケジューリングや「明日から何をしたら良いのか?」といったレベルにまで落とし込んでいくことによって、WEBマーケティングを日常の業務として定着させ、継続的していく事によって売上げアップや来店数が徐々にあがってきます。

飲食店のWEBマーケティングの実行

WEBマーケティング計画のスケジューリングに沿って、WEBマーケティングを実際に実行しプロモーションしていきます。

ご存知のように、飲食店は年間を通して売上げが良い月・悪い月があったり、他にも客単価・客数が良かったり悪かったりと変動のある要因を色々と抱えています。

年間を通してのスケジューリングに沿ってWEBマーケティングの結果・メモなどを記録したりすることによって、飲食店の現状が日記のように残るようになります。
するとその翌年には、年間を通しての資金・人材やの配置計画の見通しができたり、季節によって効率的な集客を実行する事ができたりと、行き当たりばったりの経営をすることがなくなってきます。これだけでも、利益はかなり改善されます。

それに加えて、上手くいったマーケティングは再度実行し、失敗したマーケティングは上手くいくように改善点を加えていったりと試行錯誤を繰り返していくうちに、オリジナリティや独自性のあるマーケティングとなり、競合他社が真似できない強みとなっていきます。
俗に、自社だけが知っている秘密とか言われてるノウハウになります。

About
Kuniyoshi Takemoto is the founder of Amelt.net LLC, and editor of this blog(www.amelt.net).Learn more and follow me on LinkedIn.