エンジニアがマーケティングを学ぶ理由は?

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エンジニアがマーケティングを学ぶ理由について、書いています。
要点だけ最初に書いておくと「マーケティングスキルを身につけたエンジニアは最強だ!」という話です。

そもそも、マーケティングの目的と仕事内容とは?

マーケティングの目的と仕事内容は、かの有名なピーター・ドラッカー先生曰く販売を不必要にすることです。

マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則

マーケティングの目的とは?

先のピーター・ドラッカー先生の言葉を分かりやすく解釈すると、マーケティングの目的は、販売などの営業活動をしなくても、お客さんが自ら進んで購入してくれるような理想的な状態(システム・仕組み・流れ)を作ることです。

マーケティングの仕事内容とは?

逆に言うと、現実的にはお客さんが自ら進んで購入してくれるような理想的な状態(システム・仕組み・流れ)になっていない為に、広告やセールスプロモーション・営業などがあり、それらを組み合わせて目的を達成する事がマーケティングの仕事内容だと言えます。

私自身マーケティングを学んで、マーケティングとエンジニアリングを組み合わせて仕事していると思うのは「マーケティングは学ばなくてもビジネスの仕組みを組み立てることはできるが、仕組みの調子が悪くなった時に感覚以外に頼る方法がなくなる」ということです。

また、データサイエンティストのようにデジタル系のマーケティングとエンジニアリングの親和性は高く、また垣根がなくなってきていますので、あまりマーケティングとエンジニアリング違いは感じません。

エンジニアにマーケティングが必要なケース

例えば、新規事業を行うといった場合にいくつかの段階がありますが、エンジニアにマーケティングが必要な段階はほとんど全ての段階といっても過言ではないと思います(実際に自社開発している実感では)。

新規事業がアイデ状態の段階からローンチする段階までの間に、何度もPDCAサイクルのような「計画→実行→検証→改善」の流れを行う必要が出てきます。

そして、事業のほとんどは最初から上手くいくような、事業計画書どおりに物事が進むビジネスはほとんどないというのが現実です。

その際に、マーケティング的な軌道修正とエンジニアリング的な軌道修正というのは、分けて考えられるような問題でない場合がほとんどです。
この時に、エンジニアがマーケティングを理解していると「マーケティング的にはあまり効果が無いがエンジニア的にはすごい手間のかかる軌道修正」は避けることができますし、逆に「マーケティング的には効果絶大で尚且つがエンジニア的にはほとんど手間のかからない軌道修正」という判断や助言を行う事が可能となります。

企業は利益を追求する組織体ですので、上記のようなエンジニアがマーケティングを理解した上でのナイスな判断というのは、時にエンジニアの技術力が高い低いよりも重要となります。

エンジニアにマーケティングは必要なスキルなのか?

一般的にマーケティングと言われる場合、広告などの表層的な一部の機能が例に挙げられます。

マーケティングにおける「○○論」みたいな理屈や、表層的なスキルを最初から学ぶ必要はないと思いますが、最低限のマーケティングの根本的な原理原則を知っておくという面においては「必要なスキル」です。

最低限のマーケティングの根本的な原理原則というのは、先ほど紹介したドラッカーの本の中にも書いてあるような「マネジメントの基本機能は、マーケティングとイノベーションである」のような基本的なことです。ドラッカーによると、イノベーションとマーケティングの調整をするのがマネジメントなので、企業の必要な機能はイノベーションとマーケティングの2つと捉えることができます。

マーケティングの仕事は会社によって定義も範囲も違うことが多いですが、企業の必要な機能がイノベーションとマーケティングの2つと単純化して考えてみると、理解しやすいのではないかと思います。

また、エンジニアリングのスキルは技術的な進歩によって古くなってしまう速度が速いですが、マーケティングの根本的な知識は人間に関することなので、そうそう時代の流れで代わるものではないというのも強みかと思います。

ビジネス環境が変わってもマーケティングの原理原則は変わりませんので、状況に合わせて応用することもできますし、会社を変わったとしても応用が利く、なかなか便利なスキルだと思います。

About
Kuniyoshi Takemoto is the founder of Amelt.net LLC, and editor of this blog(www.amelt.net).Learn more and follow me on LinkedIn.