人工知能(AI)は人の仕事を奪うのか、人間にしかできない仕事はあるのか等のメモ

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仕事柄、人工知能(AI)についてあれこれ聞かれたりすることも多くなってきたので(聞かれた時にはなるべく正確に返答したいのですが、勢いで話すと所々抜けてしまったりしますので...)、個人的に整理したものをメモとして公開しています。

飲み屋さんの会話程度に思ってください。
今度からカンペ代わりとして、この文章を見て話そうと思います。

人工知能(AI)は人の仕事を奪うのか?

今この瞬間にも、確実に人工知能(AI)は人の仕事を奪っていってます。
人の仕事を奪う人工知能(AI)は、ほとんどは人型のドラエモンみたいな形の物でなく、各種センサーとマイコン(最近はクラウドコンピューティング)の組み合わせがほとんどです。

ただし、洗濯機が発達して洗濯に使う手間が減ってきたように、機械ができる仕事は機械に任せられるようになってきただけで、人間は人間しか(もしくはその人自身にしか)できない仕事に従事するようになっていくと言われています。

イギリスの産業革命時に失業は増えたけどその後新しい仕事が増えた...という事実とよく対比されますが、人工知能(AI)はある程度人間の思考の代わりができるという特徴もあり、前例もありませんので、産業革命時と同じような道筋になるとは思えないです。

人工知能(AI)はできない(人間にしかできない)仕事はあるのか?

一般的に、人工知能(AI)はできない(人間にしかできない)仕事は「感情/共感に関わる事」や「イレギュラーな事」とは言われます。

ただ、あたりまえですが、人工知能(AI)の機能が発達しても人間と人工知能(AI)は別物ですので「人間自身である事」に意味のある事は人間にしかできないです。例えば、子供に対する母親とか、古い友達関係とか。
どれだけ聞き上手でも、機械は機械ですので...人間とは違います。

作家さんとかがサロンとかファンクラブとかで囲い込んでいるビジネスとかは、明らかに人間にしかできません。
エンターテイメント分野とかが最有力じゃないかと思います。

人工知能(AI)に仕事を奪われた後どうなるのか?

コンピューターを作る側になるか、人間にしかできない仕事をするか、働かないかの3択くらいしか思いつかないです。

「コンピューターを作る側」・・・コンピューターがメンテナンスなしに動いてくれるような状況はまだまだ難しいので、泥臭いプログラミングする人間が多く必要になるのは必然です。
「人間にしかできない仕事」・・・この分野に人が押し寄せてくるので、必然的に仕事単価は下がりまくると思います。
「働かない」・・・おそらくこれが最有力候補だと思ってます。働かないというよりかは、今現時点で仕事だと思われないような事(遊びの類と思われている事)が仕事になるだろう...と言われています。また、人の大部分を失業させるインパクトのある技術を、食物を育てる事や住宅を作る事に費やせば、そのコストは劇的に下がるものかと思います。

大昔の人の仕事に比べたら、現代の人の仕事は遊んでいるのと一緒のレベルだと聞いたことがありますが、ほんとうにその通りだと思います。
例えば、インターネットとか無くても死にませんしね。遊びが仕事になると言われることの所以だと思います。

人工知能(AI)はどうやって動いているのか?

主に機械学習という手法を用いて、データの集合から結論を導き出しています。
人工知能(AI)の構造をかなり単純化すると、集めたデータをベクトル(行列)で表現してコンピューターで解析できるようにします。次に、ベクトル(行列)で表現したデータを確率・統計等(手法により異なりますが)を使って分析して、結果を得ます。

一番簡単な2次方程式のグラフ(曲線のやつ)で例えると、連立方程式をベクトル(行列)で表現して(これは高校の範囲)、yとxの値が確率によって変わるので(世の中の起こりうる状況を確率でパターン化する)、確率に対するyとxのデータを統計的手法によって分布の最大値/最小値を求めます(正規分布とか)。
すると、世の中の起こりうる特定の状況(yとxの確率)に対して、一番起こる可能性の高い結論(正規分布の頂点)が導きだされる...みたいな感じです。

画像認識、スパムフィルタ、システムトレード、レコメンドシステム等に使われます。

実際には2次方程式でなく、n次元とかで表現するのでもっと複雑になります。n次元になると、次元削除とか次元の呪いとかファンタジー的な用語が続々と登場してきます。

要するに、人工知能(AI)は集めたデータの統計解析によって結果を導き出しているので、データ化できない事や統計解析で判断できないような事は扱えないんです。
暗黙知の実用化などは、人間の判断をラベリング(yes/noとか)するという方法で、それっぽい感じになっているようです。

人工知能(AI)はどのように既存の業界に広がっていくのか?

前述したように、人の仕事を奪っていく人工知能(AI)は人型ではなくて、IOT(モノのインターネット)やスマートフォンのアプリとかに代表されます。
色々な業界の技術が集まってきたことによって(シンギュラリティとか言われます)、今までインターネット上だけに起こっていた変革が、インターネット外の世界にも起こり始めてます。その代表がIOT(モノのインターネット)です。

現実世界の情報を各種センサーで感知して(人間で言うと5感)、WIFI経由でクラウドへ情報が伝達され(人間で言うと神経)、クラウド上で処理/判断します(人間で言うと脳)。そして、またWIFI経由でIOTデバイスに情報が伝達されて、IOTデバイスが何かを実行する(人間で言うと手とか足)。

IOTデバイス(センサーやスマホ)<=>クラウド(人工知能・AI)<=>IOTデバイス(センサーやスマホ)

2025年くらいには、コンピューターの演算能力と人間の脳が同等くらいになるらしいので(ムーアの法則による)、その時にならないと実際のところ分かりませんが、VR(バーチャルリアリティ)の技術とかも絡まってくると、さらに意味不明な世界になってくるんじゃないかと思います。

日本の人口が減少する中で、そういうインパクトのある技術を武器に海外展開すると、まだまだ未来は明るいような気もします。現状は海外勢にやられまくりですが。

また、色々思いついたら追記していこうと思います。


以下、2017年7月追記分です。
ぼちぼち調べたりした内容を、追記して更新しています。

創造力(クリエイティビティ)は人間だけのものでない

人間に残された最後の砦は創造力(クリエイティビティ)だと言われたりしますが、創造力(クリエイティビティ)が必要とされている作曲・小説・イラストなどは、まだ拙いですけれどもAI(人工知能)もそこそこできます。

「人間の仕事がなくなる」という話のまとめとか決定版はあるのか

あちらこちらで「AI(人工知能)に仕事が奪われる」的記事がありますが、おそらく一番信頼できるのはマッキンゼーが出しているレポートなのではないかと思います。英語ですが。。。

レポートの13ページのグラフが分かりやすくて良いんじゃないかと思います。
「仕事が技術的に自動化可能」と「自動化可能な技術が受け入れられる」というのを分けて表現した上で、さらに「アーリーシナリオ」「レイトシナリオ」と分けています。
正しくもないけれども間違いもしないという、コンサルタントの方のレポートの技術(?)ですね。

Harnessing automation for a future that works | McKinsey & Company

あと個人的にですが、AI(人工知能)に仕事奪われても、AI(人工知能)が住む所・食べる物を生産してくれるようになるのであれば、それも良いのではないかと思います。

人間とAI(人工知能)の大きな違い

色々と調べてみると、人間とAI(人工知能)の違いは、以下の2点に集約されて語られる事が多いように思います。
1.人間には本能があるがAI(人工知能)にはない
2.人間には身体があるがAI(人工知能)にはない

日本では東京大学の松尾先生あたりのお話が参考になるのかなと思います。

暗黙知はAI(人工知能)に置き換えることができるのか

長年の経験による「暗黙知」による直感や判断は非常に頼りになります...が、人間の暗黙知を置き換えることは始まっていて、成果も出てきている事例もあるみたいです。
多量のケーススタディを用いて、そこに人間の暗黙知による判断のラベリングを付加するという方法がメジャーみたいです。

AI(人工知能)のやっていることが人間に理解できるのか

広告・アドテクや金融業界では、人間では理屈が全く分からないけれども何故か成果が出ているというケースが常識となりつつあるようです。
従って、人間は理解していないけれどもAI(人工知能)の言うとおりにしておけば間違いない...とかいう流れは既に始まってます。

また、ITの世界では特に、一人の天才が方法を考え出して、そしてその方法が(なぜその方法で上手くいくかは理解できていないが)一般に広まるって事を繰り返しているので、AI(人工知能)を研究している天才のよくわからない方法が広まる事によって、私を含め一般の人間には理解できない域に到達するのは必然なのではないかと思います。

AI(人工知能)は人間を攻撃するのか

映画などであるAI(人工知能)が自我を持って...みたいな議論は、AI(人工知能)界隈の人にとっては食傷気味らしくて、まぁそういう事はないだろうというのが、だいたいの意見みたいです。
それよりも、AI(人工知能)を利用して、人間が他の人間を攻撃することの方が現実味が高いという話です(普通に考えたらそうですよね)。

About
Kuniyoshi Takemoto is the founder of Amelt.net LLC, and editor of this blog(www.amelt.net).Learn more and follow me on LinkedIn.