具体的な問題解決手法が分かる本

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本書はビジネス・ブレイクスルー大学の「経営管理者育成プログラム/問題解決必須スキルコース」の一部(発刊当時)で、ロジカルシンキングによる問題解決のための入門書のような位置づけです。
入門書といっても、内容は非常に濃く具体的で、図示されたプレゼンテーションも豊富にあり、問題解決のためのアプローチが分かりやすくまとめられています。
著者はマッキンゼー出身の大前研一さん、斉藤顕一さん。

答えのない時代を乗り切るためには、詰め込み式の暗記ではなくロジカルシンキングが必要だという所からはじまります。

実戦!問題解決法

まず問題点がどこにあるのか見つける、次は、それを解決するために何をしたらよいかを考えていく――この自分で答えを見つける方法論こそが問題解決法、すなわちPSA(プロブレム・ソルビング・アプローチ)だ。

問題点がどこにあるのか見つける――すなわち問題発見というのは非常に重要で、間違った問題定義を全力で解決しても何にもならないと続きます。
例えば、地図上のとある目的地(ビジネス的には戦略)に向かおうとしている時に、車か自転車か徒歩か(ビジネスで言うと戦術やツール)...どの方法が良いか悩んだ挙句に苦労して目的地に辿り付いた(戦術を計画して実行)としても、そもそも目的地(問題定義)が間違っていたら意味がないということです。

最近では「顧客自身も欲しいものが分からない」「過去の延長線上の通りにビジネスは進まなくなった」などの理由から、ロジカルシンキングだけで問題を解決するのは難しいとも言われますが、「ロジカルシンキングで解決できる部分と解決するのが難しい部分」を切り分けて考えることは大切です。

ロジカルシンキングで解決するのが難しい部分は例えば「顧客自身が潜在的に欲しいサービス」を見つけるなどですが、この問題もテストマーケティング(定性分析など)で実験をすることによって、ある程度明らかにできますし、テストマーケティングを行う事自体にロジカルシンキングの能力が必要となります。

色々な意味で、ロジカルシンキングはビジネスマンにとって未だ必要なスキルだと思います。
また、ロジカルシンキングについては過去記事「ロジカルシンキングを勉強するためのおすすめ本」を参考にしてみてください。

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Kuniyoshi Takemoto is the founder of Amelt.net LLC, and editor of this blog(www.amelt.net).Learn more and follow me on LinkedIn.